【新宿四谷の弁護士が詳しく解説】債務整理の仕組みとメリット・デメリット

借金問題を解決する手段として、多くの方が利用するのが「債務整理」です。債務整理にはいくつかの方法があり、各手続きには特徴や適したケースがあります。本記事では、債務整理の種類やメリット・デメリット、日常生活への影響などを詳しく解説します。借金問題でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

◼︎目次

1. 債務整理とは

債務整理とは、借金(債務)の返済負担を軽減するための手続きです。

債務整理は、消費者金融やカードローン、リボ払い、クレジットカードの借金など、さまざまな借入が対象となります。

債務整理の手続きには、借金の減額や利息のカット、返済計画の見直しなどが含まれます。

主な手続きには以下の3種類があります。

任意整理

債権者と直接交渉して将来利息のカット等を含めた借金の返済計画を調整する手続きになります。

自己破産

裁判所を通じて借金の返済義務を免除してもらう手続きになります。

個人再生

裁判所を通じて元本を含めた借金を大幅に減額する手続きになります。

1. 債務整理とは

2. 債務整理による共通のメリットとデメリット

メリット

  • 取り立てが止まります。

弁護士に依頼すると、債権者への「受任通知」により、金融機関等の債権者からご相談者様への取り立て行為は禁止されていますので(貸金業法21条1項6号),原則として停止します。訴訟を提起された場合や差押えがある場合には、破産申立又は個人再生による法的手続きの開始が必要になります。

  • 借金の負担が軽減されます。

任意整理では利息のカット、個人再生では元本等の大幅減額、自己破産では借金の全額免除の可能性があります。

デメリット

  • 信用情報へ登録(いわゆるブラックリスト入り)されます。

債務整理を行うと、弁護士から各債権者に対して受任通知を送付するため、これにより信用情報に事故情報が登録され、一定期間(債務完済又は消滅後5~7年)クレジットカードやローンの審査等に通らなくなります。

  • 保証人がいる場合には,保証人へ請求されることになります。

3. 債務整理の種類と違い

債務整理の種類ごとに手続きの概要や効果を比較します。

任意整理

概要:債権者と交渉し、将来利息をカット等した上で借金を原則3年(最大で5年を目安)の期間で返済できるよう返済計画を調整します。

  • メリット

利息をカット等できる点で契約通りに返済する場合に比べて,返済総額を大きく減らすことができます。

また,裁判所を介さずに進めることができる点で,破産及び個人再生に比べて、負担なく、迅速に解決できることが多いです。

住宅ローンやオートローンの場合、保証人がいる場合、給料が特定の銀行に指定されている場合等事情があるときには、当該債権者は任意整理の対象外にする個別的な対応が可能です。

  • デメリット

債権者との合意による解決のため,一部の消費者金融機関とは任意整理できない場合もあります。

自己破産

概要:裁判所に借金の破産及び免責を申し立て、返済義務を免除してもらう手続きを行います。

  • メリット

借金の返済が完全に免除される点が一番のメリットです。

*税金や養育費等一部免責されない債権も存在します(破産法253条1項)。

  • デメリット

20万円以上の換価価値のある資産の処分、特定の職業の資格制限、官報への掲載があること、7年以内の破産は免責不許可事由に該当する等のデメリットがあります。

個人再生

概要:裁判所に申立て、借金を減額する手続きを進めます。

  • メリット

不動産を残せる可能性があること,保険や車等の特定の資産を残せる可能性があること,破産を利用すると特定の職業の資格制限に該当する場合でも資格制限にならない等のメリットがあります。

500万円以上5000万円未満の借金がある場合には,借金の返済額が2割から1割程度まで減額になる可能性があります(500万円未満の借金がある場合は,借金の返済額が100万円になる可能性があります。)。

  • デメリット

裁判所申立後の手続きの時間が半年以上かかることが多いこと,官報への掲載があること,債権者全員の同意は不要ですが一定の債権者の同意が必要なため個人再生ができない場合もある等のデメリットがあります。

4. 債務整理後の日常生活への影響

債務整理を行うと以下の影響があります。

クレジットカードやローンが利用できなくなります。

信用情報に事故情報が登録されるため、一定期間(債務完済又は消滅後5~7年)は新たなカードの作成や借入等が難しくなります。

財産の処分

自動車ローンや高額家財のローン等を債務整理の対象にすると,その財産に担保がついていることも多く,債権者が担保権の行使として自動車等の財産を回収していくことがあります。

また,自己破産では自宅や車など、一定以上の価値がある財産を失うことが通常です。

官報への掲載

個人再生や自己破産では、手続き情報が官報に掲載されます。ただし、一般的な職場や取引先が閲覧することは少ないため、日常生活への影響は限定的です。

5. 債務整理にかかる期間と費用

期間の目安

  • 任意整理

受任後、2~4ヶ月程度で、債権者への返済が開始します。

  • 自己破産

裁判所への申立後、3~6ヶ月程度で破産手続は終了します。

  • 個人再生

裁判所への申立後、6~12ヶ月程度で個人再生手続は終了します。

*自己破産や個人再生の上記期間は,多くの方が上記期間内に終了する目安となりますが,個別事情によりそれ以上の期間がかかる場合もあります。

費用の相場(当事務所の場合)

なお,弁護士費用の分割でのお支払いの対応は可能です。

  • 任意整理

弁護士費用 債権者1社あたり3万3000円(消費税含)+減額報酬(減額分の20%)

*着手金と報酬金を含めた弁護士費用の金額になります。

  • 過払金請求

弁護士費用(着手金は0円、報酬金は回収金額の20%+税)

  • 自己破産

弁護士費用と裁判所の手続費用を含めた金額は,個人の方の場合,金40万円弱~80万円程度が目安になります。細かい内訳は次のとおりです。

弁護士費用(着手金)個人の方(非事業者の方)金22万円(税込)、個人の方(事業者の方)金33万円(税込)

法人の場合は債権者の数、債務額、従業員数、事業所の明渡の有無などにより着手金を個別に算定致します。1人法人等実質個人事業主の方の場合で,55万円(税込)~が目安になります。法人の場合には,破産により法人が消滅するため,報酬は0円になります。

報酬金は個人の方、免責不許可事由が存在する方が金22万円(税込)、事業主の方が金16万5000円(税込)、それ以外の方が金11万円(税込)

手続費用(少額)管財事件の場合、裁判所への引継予納金と官報公告費用、実費等 金25万円程度、同時廃止事件の場合、官報公告費用、実費等 金4万円程度。

  • 個人再生

弁護士費用と裁判所の手続費用を含めた金額は,金70万円弱~が目安になります。

弁護士費用は着手金44万円(税込)~。住宅特別条項の利用がある場合は着手金:55万円(税込)~。報酬金は0円になります。

手続費用、再生委員への報酬金と官報公告費用、実費等が金25万円程度。

6. 債務整理に関するよくある質問

Q:自分で手続きできるか?

可能な場合もありますが,以下の理由で,弁護士に依頼することをおすすめします。

将来利息をカットした任意整理は,弁護士等の専門職でなければ応じない債権者も少なくありません。

破産申立は,弁護士による申立ではない場合,管財手続になり,裁判所での手続費用が50万円以上になることも少なくありません。

個人再生の場合,期間等の厳格な制限があり,個人再生委員の要請に応じた書類作成を行う必要もあるため,専門的知識が必要にはなります。

Q:家や車等の財産を残したまま債務整理は可能か?

任意整理の場合は,住宅ローンや自動車ローンが任意整理の対象でなければ,原則可能です。

個人再生では住宅ローン特則を活用して,個人再生手続が認可された場合には原則として自宅を手放さずに済みます。また,自動車ローンが完済している場合には,高額な自動車でなければ,自動車を手放さずにすむことも少なくありません。

破産の場合は家等の不動産は処分されるのが通常です。車については資産価値がなければ処分せずに破産を行うことが可能な場合もあります。

Q:職場や周囲に知られることはあるか?

任意整理は,信用情報に事故情報が掲載されるのみであり,第三者に基本的に知られることはありません。

個人再生や自己破産では官報に掲載されますが、官報を逐一確認する企業は少ないため、一般的な職場に影響することは限定的です。

Q:ギャンブルや投資による失敗や投資詐欺による被害の場合、破産の手続きは可能でしょうか?

ギャンブルや投棄的な投資の失敗や投資詐欺による被害が原因の借金は,免責不許可事由に該当し,法律上は,原則として自己破産による返済義務の免除は認められません。

ただし、裁量免責という制度があり,初回の破産であれば,免責されていることが多いです。

Q:2回目の債務整理は可能でしょうか?

2回目の債務整理も可能なことが多いです。

任意整理の場合は,債権者にもよりますが,減収等の理由があれば,再和解を行い,毎月の返済額を再度減額できる場合もあります。

自己破産の場合は,7年以内の再度の破産の場合は形式的に免責不許可事由に該当しますし,7年経過後の破産の場合でも管財手続きに付され浪費判断がされ免責不許可事由に該当すると判断さることが多いです。しかし,債務負担の原因が異なる等裁量免責に関する事情を主張することで,免責されることも少なくありません。

個人再生の場合は,小規模個人再生であれば,法的な制限なく,申立を行うことは可能です。給与所得等再生の場合には,7年以内に破産や給与所得再生の手続を利用している場合には利用できません。

7. まとめ

債務整理は借金問題を解決するための有効な手段であり、状況に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。任意整理、個人再生、自己破産のどれを選択するにせよ、メリットとデメリットを正しく理解し、専門家に相談することで、より良い解決策を見つけることができます。

借金問題に悩む方は、まずは新宿四谷の弁護士藤田にお気軽にご相談ください。金融機関からの借入の債務整理のご相談に限り初回相談無料です。また、弁護士費用等の分割でのお支払いも対応可能です。

監修:弁護士藤田和馬
四谷タウン総合法律事務所所属 / 保有資格:弁護士(第一東京弁護士会所属)

様々な法律相談に関する相談実績年間200件以上です。
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